業種: 精密機器
施設種別: オフィス 工場
昨今の人材不足により、採用競争が激化する中、求職者に会社の魅力を伝えることが難しくなっています。そのような状況の中で、自社の情報を積極的に発信し、求職者に対して安心感や信頼感を与える新たな取り組みが求められています。
今回は、環境計測機器メーカーである株式会社アナテック・ヤナコの桺本様に、バーチャル内覧を導入した経緯や、導入後に感じられた具体的な効果について詳しくお話を伺いました。
株式会社アナテック・ヤナコで専務取締役を務めております桺本と申します。
弊社は創業133年の歴史を有しており、当初はガラス製品やビーカー・フラスコなどの化学系ガラス製品を手がけていました。時代の変遷に伴い、環境関連の計測機器製造へと事業領域を移行し、現在は工場排水に含まれる有害物質を計測する装置を中心に製造しています。
おかげさまで長きにわたって事業を続けてまいりました。明治時代に創業し、戦争や社会情勢の変化に伴う再編を経て、現在の形に至っています。一時期は従業員が900名を超える規模になったこともありましたが、事業内容の再編などを経て、現在はより環境計測機器に特化した組織として運営しています。
私自身は7代目となり、6代目社長は母が務めています。
一番の課題はやはり採用面でした。弊社のオフィスは最寄り駅から徒歩約30分と公共交通機関でのアクセスがやや難しく、会社に足を運んでいただく際のハードルが高いという問題を抱えていました。
採用候補者の方に、自身がどのような環境で働くのかを事前に知ってもらうことは非常に重要です。そのため、物理的な制約があっても会社のことをしっかり理解してもらえる仕組みが必要だと感じていました。
おっしゃるとおりです。個人的にも、会社に関する情報は積極的に発信するほど信頼が高まると考えています。大企業であれば情報開示を当たり前のように行っていますが、中小企業では積極的な情報発信はまだ少ないのが現状です。
そのような状況の中で、当社が開示できる情報を増やしていくだけでも、採用競合となるような近しい規模の企業と比較して大きな差別化になると考えています。
先ほどもお伝えしたとおり、当社オフィスは気軽に訪問できるような立地ではありません。そのため、実際に足を運ばなくても会社の雰囲気を理解できるよう、バーチャル内覧のようなツールを導入する必要性を感じていました。また、当社の規模でバーチャル内覧を活用し、積極的に情報発信をしている企業はまだ少なかったため、この取り組み自体が他社との差別化になると考えていましたし、こういった取り組みは真っ先にやることが重要ですね。
そうですね。実は、当社では「Notion」というツールを使って採用ページを作成していて、会社紹介資料や選考フローなどを誰でも閲覧できる形で掲載しています。それによって、説明会に参加しなくても、会社のことを十分理解していただけるようにしています。今回導入したバーチャル内覧は、この採用ページ内のコンテンツとしても活用しています。
一番大きかったのは価格面で圧倒的な優位性があったことですね。他の企業では導入費用が数百万円程度かかったケースもあると聞いていましたが、ArchiTechさんのバーチャル内覧は比較的リーズナブルな価格で導入できました。
また、これは実際に業務を進めていただく中で感じたことですが、撮影前に撮影計画図を出してくれたり、1日で本館と新館の2棟を撮影いただいたりと、非常に手際が良かったです。そういった点も含めてArchiTechさんに依頼して良かったなと感じています。
これまで様々な新規施策を実施し、一定の実績を積み重ねてきた経緯もあり、導入提案自体は比較的スムーズに受け入れてもらえました。
また、導入の決定打になったのは、実は取引先の大手企業様が同様の取り組みをされていたことでした。バーチャル内覧を実際に活用している企業の事例を提示できたため、社内の関係者にもイメージが湧きやすかったのだと思います。
はい。また、タイミングの良さもありました。ちょうどオフィスのレイアウト変更を計画していた時期でしたので、せっかく変更するなら、写真だけではなくバーチャル内覧を活用したほうが、オフィスの魅力をより効果的に伝えられるのではないかと考えました。
難しい問題として、正直なところ、バーチャル内覧を活用すれば必ず採用につながるという保証はありません。加えて、採用面での効果測定がしにくいという側面もあります。
弊社の場合は、採用ページを作成し、会社紹介資料を整備し、福利厚生などの制度も充実させ、まず外部へのアピールをしっかりできる基盤を作りました。その上で、さらに効果を高めるためにバーチャル内覧を活用する、という明確なストーリーがあったので、比較的スムーズに導入を進めることができたのだと考えています。
もちろん、導入にあたってはセキュリティ対策をしっかりと確認していますし、本当に外に出してはいけない情報は制御しています。ただし、あまりにも細かな権限設定を行うことが、必ずしも良い結果を生むとは考えていません。
バーチャル内覧は、ビジュアルインパクトが強いからこそ、クローズドではなくオープンに運用して、様々なステールホルダーの方に見てもらうような使い方が良いのではないかと思っています。
具体的に新卒・中途採用へのポジティブな効果については、実際の採用活動がこれから本格化するため、昨年と比較して明確にお伝えするのは難しいのですが、インターン採用に関しては応募数が増えている実感がありますし、「バーチャル内覧を見てより深く興味を持った」という声も出てきています。
先ほどもお話ししたように、当社はNotionで採用ページを作成し、その中に会社紹介資料やバーチャル内覧などのコンテンツを掲載しているため、インターン生にも「良い会社かもしれない」と感じてもらえたのだと思います。
そうですね。また、バーチャル内覧のようなコンテンツは、候補者の志望度を図る要素の一つになっています。
例えば面接の際、「バーチャル内覧はご覧になりましたか?」と質問したときに、「見ていない」あるいは「少し見たが、よく確認していない」といった回答が返ってくると、もしかすると当社への志望度がそこまで高くないのかなと判断できます。
一方で、事前にバーチャル内覧をきちんと見てきてくれた候補者であれば、「しっかり準備してきてくれたのだな」と感じることができますし、その前提知識をベースに、当社に関してより深い議論をすることも可能になります。
おっしゃる通りです。ただし、採用候補者の方の企業研究の深さで志望度を測るためには、私たち企業側が材料となる情報をできる限り開示していくことが重要であると考えています。
そもそも、このような先進的な取り組みをしていること自体が、取引先や見込み顧客からの評価向上につながっています。「アナテックさんっていつも色々と新しいことをやっていますね」というイメージを持っていただけており、積極的な情報開示が信頼感にも結びついています。
だからこそ、これからも積極的にさまざまなチャレンジをしていく姿勢を、社内外に示していきたいと考えています。
バーチャル内覧は、単なるデジタルコンテンツではなく、会社の「透明性」を高めるための重要なツールだと考えています。特に中小企業は、大企業ほど知名度や情報の透明性がないため、求職者に不安を与えてしまいがちです。だからこそ、バーチャル内覧のようなツールで会社のリアルな雰囲気を伝えることで、「企業の透明性」と「候補者の安心感」を同時に高められるのだと思います。
また、「情報公開のリスク」よりも「情報を公開しないリスク」のほうが大きい時代になってきていると感じています。
実際に我々がバーチャル内覧を導入したことで、採用候補者の反応や会社の評価が良くなったことを実感しています。企業の規模に関係なく、まずは一歩踏み出してみることが大切です。新しい取り組みに対する社内の理解を深めながら、積極的な情報発信にチャレンジしていきたいですね。
環境領域に特化した自動環境計測機器を専門として手がけており、環境計測領域トップクラスの実績を持っています。工場等で使われる水や排水、河川の水質計測・分析や、エチレンの濃度調整による果物の成熟調整、排気ガスの測定による公害の把握といった様々な場面で使用されている私たちの製品。官公庁や民間事業場、アジアを中心に世界各国で導入されており、法律での規制もあるため毎年安定した実績を修めています。装置はすべてオーダーメイド。より社会が必要とする装置を目指し精進しています。
業種: 精密機器
施設種別: オフィス 工場
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