「来れば伝わる」から「来なくても伝わる」へ ーー JAM BASEのバーチャル内覧活用戦略
一般社団法人コ・クリエーションジェネレーター 様

業種: 施設運営

施設種別: コワーキング イベントスペース イノベーション拠点

グラングリーン大阪北館内に位置する「JAM BASE」は、うめきた2期エリアの開発事業者8社が共同で設立した一般社団法人コ・クリエーションジェネレーター(CCG)によって運営されるイノベーション拠点です。2024年9月の開業以来、サロン会員数は1,500名を超え、92区画のレンタルオフィス「JAM-STUDIO」もほぼ満床に達するなど、急速な成長を遂げています。


開業当初、CCGは施設そのものの魅力に絶対的な自信を持っており、まずはリアルに足を運んでもらうことを最優先としていましたが、関西圏の外、特に東京ではJAM BASEの認知度がほとんどないという現実に直面。遠方からのテナント検討やカンファレンスルームの予約促進において、現地に来なくても施設の魅力を伝える手段の必要性が高まっていきました。


そこで導入されたのがバーチャル内覧です。導入後は、部屋の設えや備品といったカンファレンスルームに関する定型的な問い合わせが大幅に減少し、スタッフがより本質的な業務に時間を割けるように。テナント誘致においても遠方からの下見ツールとして活用が進んでいます。今回は、CCGで主にテナント誘致や会員交流の企画・運営を担う麻田様に、導入の背景や活用の実態についてお話を伺いました。


1. 自己紹介・事業紹介

まず、CCGの事業内容とJAM BASEという施設について教えてください。

CCGの事業内容としては、JAM BASEの施設運営・管理がメインになっています。

JAM BASEは、サロン会員向けの交流エリアと、92区画のレンタルオフィスJAM-STUDIOを中心に構成された施設で、「まざまざ と さまざま が まざるさま」をテーマに多様な人々が集い交わることで、そこから新しいアイデアやイノベーションを生み出していくための場所になっています。

JAM BASEという施設自体は、どういった背景から生まれたのでしょうか。

現在もうめきた1期エリアのグランフロント大阪にナレッジキャピタルという施設がありまして、こちらは2013年の開業になりますが、当時関西ではまだ珍しい、「知的創造・交流の場」をコンセプトにした拠点でクリエイターやアーティスト、事業家の方々が集まる交流サロンとしてスタートしたのが元々のはじまりです。

うめきた2期では2018年から本格的に開発が始まり、出会いや交流だけではなく、そこから生まれる新しいアイデアやイノベーションの創出を目指すというコンセプトで立ち上げたのがJAM BASEです。

JAM BASEの中での麻田さんの役割を教えてください。

サロン会員様が入会希望される際の面談を行って会員数を増やしていく活動と、92区画あるJAM-STUDIOのテナント誘致を並行して進めてきました。

現在は、会員数が1,500名を超えてきた中で、毎月開催している会員限定交流イベント「JAMMING PARTY」など会員様同志の出会うきっかけとなる交流イベントの企画・運営を主軸にしています。どうすればJAM BASEに入会・入居して頂いた方々が一日でも早くさまざまな方と出会えるのか、交流できるのかを日々思案しています。

JAM BASEでは、サロン会員同士の交流をどのように促進しているのでしょうか。

先ほどお話したナレッジキャピタルには「コミュニケーター」という会員間を取り持つポストがありますが、JAM BASEではあえて設けていません。入会いただいたみなさまがイノベーションに関わる事業活動をしたいという志で入会してくださっているので、施設主導ではなく、各会員のみなさまが主体的に活動していただきたいという思いがあります。

その分、館内は吹き抜け階段を通じて自然と人と出会いやすい設計になっていますし、ラウンジやキッチン、ポケットスペースなど、アクティビティを誘発する仕掛けを随所に施しています。

2. 導入前に抱えていた事業課題

バーチャル内覧の導入を検討された背景には、どのような課題があったのでしょうか。

元々ナレッジキャピタルでもMatterportという実空間を3D化するツールは導入していたので、立体的に施設を見せるという選択肢自体は頭の中にありました。ただ、3D空間をそのまま見せるだけでは、初めての方にとってはとっつきづらい部分もあり、どうするかと悩んでいる中で「これだ」という選択肢がなかったんです。

それと、開業当初はリアルに足を運んでいただくことへの思いが強かったんです。これだけの魅力のある施設を作ったと自負していましたので、バーチャルでオンラインで見ていただくよりは、やっぱり現地に足を運んでいただきたいと。そこまで惹かれるバーチャル内覧サービスもなかったので、開業当初からはやっていませんでした。

そこから状況が変わったきっかけは何だったのでしょうか。

開業当時はテレビ局やメディア、雑誌等にも取り上げていただいて、ある一定の存在感は出せていたと思っていました。ところが東京の方とお会いすると、そもそもJAM BASEも知らない。グラングリーン大阪というものも聞いたことがある程度という方が大多数だったんです。

自分たちは最高のものを作ったから、日本中の人が知っていると勝手に思い込んでいたのですが、関西以外では本当に誰も知らなかったんです。ちょうど東京や関西圏以外でもJAM BASEを広めたいという時期と重なって、遠方に施設の魅力を伝える手段が必要だということを強く感じるようになりました。

3. なぜミセルバを導入したのか

その中で、バーチャル内覧の導入を決められたきっかけは何だったのでしょうか。

東京で開催されていたスタートアップイベントでCCGがブース出展した際にArchiTechの伊藤代表とお会いしたのがきっかけです。ミセルバもMatterportを使ってはいるのですが、代理店の形ではなく独自のUIを構築して提供されていて。

CCGのメンバー間でも3Dデータをそのまま見せるだけでは伝わりきらないだろうという感覚は共有されていたので、ユーザー目線でも使いやすい構築をされているというところで、非常に見やすいなと感じました。

他にもバーチャル内覧を提供する事業者がある中で、ミセルバを選ばれた理由は何でしょうか。

やはりこれまで見ていた他のサービスと比較した時の見やすさ・使いやすさの差が一番大きかったですね。それに加えて、関西発のスタートアップ企業ということで、JAM BASEとの親和性も感じました。

当時はまだJAM BASEの会員になっていただく前だったので、会員だからお願いしたという背景ではなく、一起業家として、そしてミセルバというプロダクトに魅力を感じて、純粋にお願いしました。

導入前に、どのような活用場面を想定されていましたか。

テナント誘致というのは一つ大きなウェイトとしてありました。例えば東京の企業様が関西の支店として出したいというケースで、社長は東京にいるけれどすぐには来られない。そういう時に社長がバーチャル内覧を見れば、遠くからでもJAM BASEがどんなところかを知ることができるので、そういう使い方は当時から考えていました。

4. 導入後どのような変化があったか

現在の主な活用場面を教えてください。

大きく二つあり、一つはテナントリーシングです。東京をはじめ遠方の企業がテナントへの入居を検討される際に、まずバーチャル内覧で施設の雰囲気を掴んでいただき、そのうえで現地に足を運んでいただくという流れができています。関西圏の企業でもすぐには見に来られないという方には、ホームページとあわせてご案内することで、リーシング活動の材料として活用しています。

もう一つが、外部の方にも貸し出しているカンファレンスルームの利用促進です。サロン会員は1,500名を超え、レンタルオフィスもほぼ満床と、会員・テナント事業は順調に推移しています。

一方で、カンファレンスルームの稼働率はまだまだ伸ばしていく余地があり、ここでのバーチャル内覧の活用が非常に大きなウェイトを占めてきています。特に遠方からカンファレンスルームをお借りいただくケースもあるので、事前に部屋の中を確認できるというのは大きいですね。

導入後に感じている具体的な変化はありますか。

良い意味で問い合わせの件数が激減しましたね。備品は何がありますか、部屋の広さはどれぐらいですか、といった、いわゆるよくある質問に載せておけば済むレベルの問い合わせが劇的に減ったんです。

ホームページの写真だけではイメージしにくかったものが、バーチャル内覧だと実際にお部屋の中に入れるので、よりイメージしやすいというお声をいただいています。

例えば、連結利用が可能な部屋であれば、現地ご見学時でもご案内が難しい単室↔連結の状態もすぐに切り替えてご覧いただけます。また、貸会議室であれば、ある程度の広さと備品がわかれば現地を見なくても予約を判断できるという方もいて、バーチャル内覧で必要な情報を得られるようになったのは大きな変化です。

今後の課題として、カンファレンスがフル稼働している状態では、予約を検討されている企業様も現地で見学できない状況となりますので、今のうちからバーチャル内覧の活用方法を定着させていきたいですね。

今後、活用の幅をさらに広げていく構想はありますか。

実は、見学前の下見だけでなく、見学後の「お土産」として使えるのではないかという話をArchiTechさんとしていまして。

例えばテナント検討で東京から見学に来られた方が、戻ってから社内で共有する際に、QRコード付きのカードをお渡しして、バーチャル内覧で振り返っていただくようなイメージです。

実際まだ限定的ではありますが、カンファレンスの予約には代理店の方を通じてご予約される企業様もいる中で、代理店の方が現地で見た内容を後日バーチャル内覧で振り返りながら打ち合わせをするようなシーンでも使っていただいています。

口頭で説明するよりもはるかに伝わりやすいですし、今後こうした取り組みは広げていきたいですね。

5. 導入後のサポート体制

弊社では導入後に閲覧レポートをお出ししていますが、実際の運用にどう役立てていただいていますか。

レポートでは全体のビュー数だけでなく、各部屋ごとのクリック回数まで出していただいているので、施設運営の判断材料として非常に助かっています。

実際に、各部屋ごとのビュー数や滞在時間を見ていくと、特定の部屋の閲覧数だけが極端に少ないといったことがわかるんです。そうすると、そもそも導線が悪いのか、サムネイルの写真が魅力的でないのか、という仮説が立てられる。

そこからArchiTechさんに相談すると、サムネイルの差し替えや導線の改善といった具体的な提案をすぐにいただけます。数字をベースに会話ができるので、感覚的な議論にならないのがありがたいですね。

他社様も含めた連携の取り組みもさせていただきましたよね。

そうなんです。実は、ホームページの制作会社さんとも三社で連携して、位置情報付きのURLで各カンファレンスルームに直接飛べるようにしたり、ホームページ上での導線設計も一緒に考えていただいています。

各ルームごとにバーチャル内覧への導線を設置(https://jambase-space.com/

バーチャル内覧だけで完結するのではなく、施設全体のデジタル戦略の中でどう位置づけるかまで踏み込んで提案してもらえる。こういう細かな連携がワンチームでできているのは、非常にやりやすいですね。

サポート体制全体を通じて感じていることはありますか。

作って納品して終わり、というスタンスではないところが一番大きいと感じています。我々が何か困ったときに気軽に相談できて、しかもそこに対してデータに裏付けされた提案が返ってくる。

運営側の意図や課題感を汲み取ったうえでの提案なので、的外れにならないんです。こういう関係性があるからこそ、バーチャル内覧が単なるツールではなく、施設運営の一部として機能しているんだと思います。

加えて、すぐ対応できなくても困らないぐらいの小さな困りごとでも、どんどん解決していただけています。スピード感があるので、施設側としても「こうしたい」と思ったタイミングを逃さず改善できるのは大きいですね。

6. メッセージ

最後に、同様の施設運営に携わる方々に向けてメッセージをお願いします。

どの施設もコンセプトを基にさまざまな意見を出し合い、魅力ある施設を作っていくことから始まると思います。バーチャル内覧はあくまで施設をよりよく見せるためのツールであって、中身も含めて施設自体がどれだけ魅力的で、どう運営するのかが大前提になってきます。

そのうえで、施設の魅力をより広くアピールするための手段として、バーチャル内覧は非常に有効だと感じています。

導入を検討されている方に、運用面でのアドバイスがあればお願いします。

作って終わりではないということは強調したいですね。バーチャル内覧を作ってからがスタートで、そこから施設運営側とサービス提供側が二人三脚で作り上げていくものだと思っています。我々もレポートの数値を見ながら相談して、小さな改善を積み重ねて今がある。

そういう継続的なコミュニケーションを通じてブラッシュアップしていける関係性が、バーチャル内覧をうまく活用するうえでの大事なポイントではないでしょうか。

一般社団法人コ・クリエーションジェネレーター 様

JAM BASEのコンセプトである多様な人々が集い交わることで、アイデアやイノベーションを生み出すグラングリーン大阪の中核機能施設の運営・管理をしています。

https://umekita.com/jambase/

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